妊娠すると味覚が変わり、すっぱいもの美味しく感じる方もいらっしゃると思います。
特に、酢の物なら食欲がなくても食べられる、ワカメやモズク等海藻類の酢の物は体にも良さそう、と思う方も多いでしょう。確かに、海藻はSea vegetable(シーベジタブル、海の野菜)というように、ビタミンCを初め、野菜と同様の栄養素が豊富に含まれています。
橋本病の方、橋本病の疑いのある方には海藻の酢の物を食べる上で注意点があります。
海藻には「ヨウ素」が多く含まれています。ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料になるため、体にとって大切な栄養素の一つではあります。特に、妊娠初期の段階では胎児の成長に重要な役割を果たしています。
ただ、ヨウ素は意識して摂取しなくても、日本人にとっては過剰に摂取しがちな栄養素でもあります。特に海藻が好きな方、お味噌汁を毎日飲む方は過剰になりやすいでしょう。
妊娠中は、もともと甲状腺ホルモンのバランスが崩れやすい時期です。胎児の成長にヨウ素は必要です。そのために、不足も過剰摂取も悪影響を及ぼす恐れがあるのです。
橋本病や橋本病の疑いのある方は、甲状腺ホルモンのバランスが崩れやすいので、なおさら注意が必要です。
嗜好が変わっても、毎食海藻を食べることは避けましょう。酸味が美味しく感じる時期には、ビネガーの効いたドレッシングと温野菜、ほうれん草の酢の物なども取り入れると良いでしょう。