
橋本病の治療を始めて体調が落ち着いてきたところで、そろそろ運動を始めたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか?経過観察中の橋本病の方で、運動をしたいという方もいらっしゃるでしょう。
運動を始めるきっかけとして、「増えてしまった体重を減らしたい」という方も多いと思います。
しかし、橋本病や甲状腺機能低下症の方が運動をする際には、いくつか注意すべきポイントがあります。過度な運動は疲労感を悪化させたり、甲状腺ホルモンのバランスに影響を与えたりする可能性があるため、自分に合った運動を選ぶことが大切です。
橋本病・甲状腺機能低下症の方に適した運動とは?
運動には、筋力を維持し基礎代謝を高める効果が期待できます。ただし、過度な負荷をかけると甲状腺ホルモンの分泌に影響を与え、逆に体調を崩すこともあるため、適度な強度で継続することが重要です。
研究報告によると、低~中強度の運動が甲状腺機能を安定させやすいとされています。特に、有酸素運動・筋力トレーニング・柔軟運動のバランスを意識するのがおすすめです。
おすすめの運動メニュー
● 有酸素運動(脂肪燃焼&血流改善)
適度な有酸素運動は、甲状腺機能の低下に伴う代謝の低下を補い、エネルギー消費を促します。
ウォーキングやサイクリング、水中ウォーキングなど、軽い負荷をかけながら30分程度、続けられる運動が目安です。
※注意点
長時間の運動や高強度のランニングは、甲状腺ホルモンの変動を招くことがあるため、短時間で無理のない範囲で行いましょう。
● レジスタンストレーニング(基礎代謝の維持)
甲状腺機能低下症の方は筋肉量が減少しやすいため、筋力トレーニングを取り入れることで、基礎代謝の向上が期待できます。
スクワットや軽いダンベル運動、ゴムバンドを用いた負荷トレーニングなどがおすすめです。
※注意点
重い負荷をかけすぎると、疲労が蓄積しやすくなるため、注意が必要です。
● 柔軟運動・ストレッチ(疲労回復&筋肉のこわばり解消)
甲状腺機能低下症では、筋肉のこわばりや関節の違和感を覚えることがあります。ストレッチを取り入れることで、リラックス効果も得られます。朝・夜に軽いストレッチを行い、全身をほぐしましょう。
その他にヨガやピラティスなども人気が高まっていますが、無理のないポーズを選びましょう。
運動時の注意点
適度な運動は体調管理や安全な減量の一助になりますが、過度なトレーニングは甲状腺に負担をかけるため、橋本病を悪化させる恐れがあります。
疲労感が強い日は無理をしないようにしましょう。たて続けに運動をするのではなく、体を休める日を設けましょう。
タンパク質を含む十分な量の食事をとり、筋肉の分解を避けるとともに、疲労回復に役立てましょう。
まとめ
橋本病・甲状腺機能低下症の方にとって、適度な運動は代謝の維持や体調管理に役立ちます。「無理なく、続けられる運動」を意識して、ウォーキングや軽い筋トレ、ストレッチを日常に取り入れてみましょう。
「疲れすぎないように」「自分に合った運動を」これが大切なポイントです!
体調と相談しながら、楽しく運動を続けていきましょう。
参考文献
Hackney AC, Saeidi A. The thyroid axis, prolactin, and exercise in humans. Curr Opin Endocr Metab Res. 2019 Dec;9:45-50. doi: 10.1016/j.coemr.2019.06.012. Epub 2019 Jul 5.
Larson-Meyer DE, Gostas DE. Thyroid Function and Nutrient Status in the Athlete. Curr Sports Med Rep. 2020 Feb;19(2):84-94. doi: 10.1249/JSR.0000000000000689.