甲状腺疾患によって引き起こされる消化器系及び内臓の障害は様々にあるにも関わらず、網羅的な報告例が少ないために、その実態やメカニズムは明らかになっていません。
ここでは主な消化器障害を例にあげます。
甲状腺機能亢進症の方は下痢や排便回数の増加、上腹部痛や膨満感、げっぷ等の症状が現れることあります。吐き気を訴える例もあります。
甲状腺機能低下症においては、下痢や便秘、消化不良などが主な胃腸障害としてあげられます。
消化器系障害しばしば過小評価されがちですが、その生理的なメカニズムは複雑であるため、慎重な対応が必要です。
特に、胃腸障害は食欲不振や消化吸収能の低下につながり、甲状腺疾患にかかっている方の栄養状態を極端に悪くする恐れがあります。
症状が顕著な場合は消化に良いものを食べ、適切な食事から効率良く栄養素を摂取する必要があります。
参考文献
World J
Gastroenterol. 2009 Jun 21; 15(23): 2834–2838.
Published online 2009 Jun 21. doi: 10.3748/wjg.15.2834
(2019年6月11日参照)