万人向けのダイエットは無意味であると、サイエンスという科学の雑誌でハーバード大学公衆衛生大学院の研究チームが発表しています。
全ての人に共通の理想の栄養バランスという考えが通用しなくなり※、健康な方においても、よりオーダーメイドに近いダイエットが今後ますます大切になっていくでしょう。
バセドウ病や橋本病等の甲状腺疾患にかかると、様々なダイエットに励む方が多くいらっしゃいます。
バセドウ病の方は内服治療中に体重が増えやすくなります。
橋本病の方は太りやすく痩せにくいという症状があります。
基礎代謝を司る甲状腺疾患にかかっている時に栄養バランスが崩れたダイエットを試しても、絶対に失敗してしまいますし、体にも大きな負担がかかってしまいます。
健康な方にとってはどちらの栄養でも選べるような状況だとしても、バセドウ病や橋本病の方にとっては選択肢は片方のみであることもあります。
甲状腺疾患の食事療法は健康な方のダイエットとしても有効です。万人向けのダイエットは、甲状腺疾患の方にとっては危険です。
ご自身の体調と向かい合い、それぞれの症状に必要な栄養素をしっかりととることがセミオーダーのダイエットです。
※参考文献:
Science 16 Nov 2018:
Vol. 362, Issue 6416, pp. 764-770
DOI: 10.1126/science.aau2096