パニック障害と橋本病やバセドウ病
内服薬には何らかの効果がある反面、副作用にも注意をしなければなりません。
炭酸リチウム剤をはじめとするリチウム剤は躁病や双極性障害やパニック障害等の治療において処方されますが、これを服用することで内分泌系疾患の副作用が現れることがあります。
主な内分泌系疾患の副作用は甲状腺機能低下症(橋本病)です。甲状腺機能低下症は炭酸リチウム剤の服用により、血中の甲状腺ホルモン濃度が低下するために、一部の方に起こることがあります。
この他にも、破壊性甲状腺炎や甲状腺機能亢進症(バセドウ病)を起こす方もいらっしゃいます。
甲状腺機能低下症(橋本病)の症状とは?
甲状腺機能低下症の症状:
- 甲状腺(首)の腫れ
- 体重の増加
- 常に眠い
- 便秘
- かすれ声
甲状腺機能低下症(橋本病)の症状については、関連ページのさらに詳しいセルフチェックリストをご参照ください。本記事最後にリンク先を表示しています。
甲状腺機能低下を起こす過程で、このような症状とは真逆の破壊性甲状腺炎(無痛性甲状腺炎)の症状が現れることがあります。
破壊性甲状腺炎の症状とは?
破壊性甲状腺炎の症状:
- 脈が早い
- 心臓がどきどきする
- 体重の減少
- 汗をかきやすい
なお、まれに、甲状腺機能低下症とは真逆の症状を呈する甲状腺機能亢進症(バセドウ病)を発症することもあります。バセドウ病の場合は甲状腺機能が亢進するため、破壊性甲状腺炎と同様の症状が継続します。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の症状については、関連ページのさらに詳しいセルフチェックリストをご参照ください。本記事最後にリンク先を表示しています。
甲状腺機能低下症や破壊性甲状腺炎、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)の症状に気付いたら医師や薬剤師にすみやかに相談しましょう。
リチウム剤とヨード(ヨウ素)
甲状腺ホルモンは食事から摂取する「ヨウ素」と呼ばれる微量ミネラルが主原料となります。
リチウム剤を服用している方はヨウ素が不足しやすくなりますので注意が必要ですが、ヨウ素は過剰摂取にも注意が必要な栄養素でもあります。
ヨウ素は魚介類に豊富に含まれるため、リチウム剤を服用している方は、まずは魚介類を意識的に食べるようにしましょう。
詳しいヨウ素の推奨量や耐容上限量、摂取法については、こちらの電子書籍をご参考になさって下さい。